井上さくら の トキタマ日記

横浜市会議員 井上さくら のブログです

「歳出改革」って結局市民への負担押し付け?

今年度最初の定例会、初日の本会議で、山中市長に質問しました。

テーマは「財政ビジョンの策定」。

横浜市の中長期の財政運営の見通しを明らかにし、持続可能なものにするための新たな基本計画を市議会の議決を経て確定しようとするものです。

少数会派は発言時間が限られているので今回は質問時間を5分で通告。

最初の質問のあと1回だけ再質問ができるのですが、それを含めて5分なので、1回目に7問の質問を4分でしました。

ちょっと長くなりますが、以下が1回目の質問。

市長答弁は実際はまとめて行われますが、分かりやすいように短く要約を質問の後につけてみました。

 

この中で出てくる横浜市の総務局と財政局が、市役所の各局に通知した依頼文は以下のリンクからご覧になれます↓

 

drive.google.com

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

無所属クラブの井上さくらでございます。

「財政ビジョンの策定」について伺います。

 

従来、市長選挙の翌年には、市長が任期中に何を実現しようとするのか示し、具体的な政策に落としていく「中期4カ年計画」の策定があり、これまでは、この中で財政見通しや健全性の指標も政策とあわせて示されてきました。

 

しかし今回はこれを分離し、かつ中期4カ年の「基本的方向」の公表は延期。

市長公約の3つのゼロや中学校給食について、当初予算に計上せず、方向性を中期4カ年でとのことだったため、市長がこの任期中に何をしようとしているのか、現状、明らかでありません。

 

①こうした中で中期4カ年と切り離し、先に財政の方を決めようとするのはなぜなのか、市長に伺います。

 

(山中市長)今手を打たなければ財政運営が持続困難 まずは財政を

 

②今回、初めて行われようとしている、政策議論の前に財政的制約を先行して議決するということに弊害があるとは考えないか、市長の見解を伺います。

 

(山中市長)財政が土台 弊害はない

 

次に「データ・アクション編」で示された2030年における横浜市の収入と支出の差額、収支差500億円の試算についてです。

 

この収支差、つまり赤字500億円を歳出改革によって解消する、というのが分かりやすい目標として登場しています。

しかし、この試算にはいくつか前提があり、人口減少などで税収は減る一方、大規模開発などを含む施設等整備費はこれまでと同額を使い続ける計算となっています。

 

③時代の転換という今、その歳出の前提自体を議論すべきではないのか、市長の見解を伺います。

 

(山中市長)裁量性のある施設棟整備は「横置き」(これまでと同額)にしている 今後議論する

 

次に、今年4月、総務局と財政局の課長名で各局に対して出された「持続可能な市政運営の実現に向けた「歳出改革」の取り組みについて」という依頼文についてです。

 

この文書では、収支差500億円解消のため「特に検討を進めて頂きたい」として147の事業をあげ、それぞれについて、

有料化や値上げ、補助金カット、事業統廃合などを示し、

その対応を調書に記載し期限までに提出するよう求めています。

 

④まず、市長はこの中身をいつ知ったのか、伺います。

 

(山中市長)見ていないが、私の方針のもとそれぞれの責任で出しているもの

 

指摘の中には、

保育料の見直しや

放課後キッズクラブの利用料値上げ、

学童クラブとキッズの統合、

教職員定数の上乗せ分見直し、

少年自然の家の廃止、

図書館の指定管理者導入など、

市長が重視するという子育て・教育分野での切り下げを求めるものが多くあります。

 

また、家庭ごみの有料化、

障害者支援全般の圧縮、

生活交通バス路線の支援事業廃止なども上がっていますが、

どれも市民生活に大きな影響を生じます。

 

もちろん、決定ではなく検討を求めているものですが、市長が宣言した「歳出改革」を旗印にしている以上、市長の意志と取られても仕方ありません。

 

⑤この中身について、市長は妥当と考えるか、見解を伺います。

 

(山中市長)予算編成にむけて同様の取り組みは例年実施

 

指摘では子育て・教育・福祉などソフト分野で厳しい見直しを求める一方、

今後、上瀬谷開発などを行う市街地開発事業費会計では現状よりむしろ増額となる金額を示しており、明らかに「依頼」のあり方が偏っています。

 

⑥特定の大事業は聖域化し、切りやすいところを切るという弱いものいじめではないでしょうか。

これが市長の歳出改革の姿勢なのか、伺います。

 

(山中市長)財政部門、総務部門が問題意識として捉えたもの

 

⑦本来まず、中期4カ年で市が目指す全体像を示し、市民との対話や議会議論を経て検討に入るべき事項が多く含まれています。順序も、その内容も、大変問題あるこの依頼は、まず撤回すべきです。

 

(山中市長)段階的に選択と集中を図っていく 様々な部門で闊達な議論を

 

そうでなければ、今日上程されて、今日から議会審議という「財政ビジョンの策定」は、こうした一面的で市民に閉ざされたやり方を追認し、権威を与えるものになってしまいます。

 

依頼文撤回の考えはないか、市長の見解を伺ってひとまず終わります。

 

このあとに、市長が「依頼文」を読んでいないことに抗議しつつ再質問をしています。

よろしければ、動画で続きをご覧ください。

再質問は動画開始から 10:30ころ〜

井上質疑の動画↓


www.youtube.com