井上さくら の トキタマ日記

横浜市会議員 井上さくら のブログです

放射能対策、がれき処理・・・林市長に聞きました:横浜市議会、新年度予算質問

市議会の予算審査が始まりました。
まずは本会議での二日間の質疑。
2月24日、私も質問に立ちました。

聞きたい事はたくさんありますが、
3月11日の東日本大震災からもうすぐ1年というこの時期、
やはり、震災と原発事故、放射能汚染への対応にしぼり、
以下のような質問をしました。

【1回目の質問】
① 3/11からもうすぐ1年。大地震津波、そして原発事故、放射能汚染、という未曾有の事態は、いまだ収束していない
市長自身は、この1年どのように感じてこられたか、特に政治、行政の対応についての、率直な思いを伺いたい。

② スピーディ等、放射能の拡散状況は、危険にさらされていた福島の人達よりもずっと早く、米国に知らされていた。死の灰は横浜の子ども達の上にも降り注いでいたが、それは知らされなかった。
このような国の対応から考え、市長は、放射能被曝の防止について、政府の対策だけで充分とお思いか

③ 被ばくに関する基準が大幅に緩められている通り、3/11以降、少なくとも、それ以前より大きな被ばくを許すのが今の国の考え方。
こうした中、どのようにして市民の被ばくを防止するのか、基本的な考え方、また、その際の基準をどう考えているか?

④ 「こども優先」をかかげる市長放射線防御についても、少なくとも子どもについてだけは、3/11前と同様の環境を目指すと、約束をしてもらえないか

⑤ 震災ガレキの広域処理について
最近、横浜港運協会が「もし瓦礫を受けるなら、放射能拡散の危険がある焼却は絶対にしないことが条件」という見解書を市に提出したがこれをどのように受け止めたか?

⑥ 現在、震災がれきの広域処理について、本市ではどのような検討を行っているか?



質問は最大2回、あわせて4分までというのが私の条件。
そこで、以上6問を持ち時間の半分で行い、残りは市長の答弁を聞いて再度質問する事にしました。

そして、1回目の市長の答弁はというと、、、、

①については、色々大変だがもう少しスピード感を持って対応してほしい、
という趣旨の答えがあったものの、②についてはよくわからず。
③は、国でも色々な議論があって決めた事なので、
基本的にそれに基づいていく、という話し。
肝心な④についても、子どもは大切だと言いながらはっきりした答えがなく、、、、
⑤、⑥の震災がれきについては、どう受け止めたかということをそらして、港運協会には今後、情報提供や意見交換をしていく、と。
(つまり、港運協会はよくわかってないで見解書を出したとおっしゃりたい様子)

答弁を聞きながら、次の質問を考えているので、なかなか正確に書き留める事が難しいのですが、明らかに答えていない部分がありました。
そこで2回目ではその点と、
子どもを守る事だけは明確にしてもらえないか、という事、
そして震災がれきの広域処分についての私の考えを示しながら、市長の見解を尋ねました。


【2回目の質問】
① 今の答弁で、放射線被曝の防止上、国の対策で充分と思うか、という点と、
本市としての基準についての答えが無かったので、もう一度その点を聞きたい。

② 子どもを守る事について
4月から食品の新基準が始まるが、それさえ、食品だけで法定の年間1ミリシーベルトという限度を使い切ってしまう放射能濃度。
外部被ばくや、呼吸からの吸い込み等を合わせれば、これまで、大人に対してさえ禁止されていた量の被ばくを子ども達に受けさせることになる。
国の基準しかなければそうなる。

昨日市長は「子ども達への投資は惜しまない」と答弁した。
そうであれば、少なくとも子ども達には、3/11以前を超える被ばくはさせないと、はっきり言ってもらえないか?


《そして、震災がれきの広域処分について、これは、当日の発言をほぼそのまま掲載します。》

「次に、がれき処理についてです。

この件、被災地支援と放射能汚染のジレンマ、という捉え方がありますが、私は、そもそもこれが、本当に被災地支援のためなのか、疑問でなりません。

がれき処理費用は福島を除く2県分だけで1兆円以上と見込まれています。
阪神淡路大震災の約3倍です。
総量が多いからではなく、単価が高いのです。
1トンあたり阪神大震災時の3倍という高値がつけられています。

広域処理としてわざわざ遠くまで運べば、割高になるのは当然です。
その費用は、雇用や経済活性を必要としている被災地ではなく、
その外の業者や全国の受け入れ自治体への補助金になります。

これでは復興に名を借りた、巨大公共事業の全国へのバラマキではないでしょうか?

被災地のためなら、限られた復興財源は、できるだけ被災地に集中すべきなのに、その逆になる、
がれき広域処理のこの問題について市長はどうお考えでしょうか。
以上、伺って質問を終わります。
ありがとうございました。」


この質問を受けての、2回目の市長の答弁

基準については結局、国基準、という内容でしたたけれど、
子ども達の被ばく防止については、
「できるだけ3/11前と同じ環境をという事は、そう思います。
そのように努力したい。」

と、1回目よりは、ようやく市長の言葉として踏み込んだ答弁がありました。

がれきについては、、、
県と一緒に色々検討をしているが、横浜市としては、市民の安心、理解が大事と思っている、というお答えでした。。。


370万の市民生活に直結する新年度予算。
総額3兆円を超える大きさですから、細部まで全て市長が把握し、その場で答えるというのはムリがあります。

そのため、質問するとなると、連日担当職員が「質問取り」に議員の元に来て内容を聞き出します。
私も、答えられない質問をしようというのが目的ではありませんから、質問の一部は市長サイドに伝わるようにしています。

ただ、そうすると、実際の答弁は市長ではなく、担当職員が書いて市長がそれを読み上げる、ということになります。

ですから、お役所答弁ではなく、市長のナマの考えを聞きたいと思い、
事前の内容通告は、私の場合、最小限にしています。
そのため、質問の後、市長が答弁するまでに、局長らがワサワサと答弁を書き、その紙を市長へ回し、という光景が議場のすみに現れます。

細かい数字等はともかく、
基本的な考え方等は、やはり、市長自身の言葉で訴えてほしい。

今回もそんな思いをしました。

数日後には、横浜市会ホームページで録画をご覧頂けます。 
http://www.yokohama-city.stream.jfit.co.jp/giin_result.php?GIINID=5072