横浜市の中学校給食は現在、デリバリーのお弁当。
そこで一番大切にされなければならないのは安全性なのに、疑問符のつく事態が。
デリバリー弁当の調理ナベからタバコの吸い殻
2023年10月5日、給食用デリバリー弁当の製造工場で深夜から調理開始。
午前4時、おかずの「粉ふき芋」調理中の鍋から【タバコの吸い殻】発見。
🔽
発見が深夜であり給食提供の責任者である横浜市教育委員会に連絡がつかず。
また、まず市教委に連絡という契約になっていたため保健所にも連絡せず。
🔽
混入経路の特定や原因調査などしないまま、タバコが見つかった鍋だけは中身を捨て鍋は洗ったものの同じ鍋を使い調理を続行。
🔽
また、同一業者からタバコ混入品と同時期に仕入れたジャガイモ使用の他の弁当製造業者も混入の事実を知らぬまま「粉ふき芋」として製造し、その日の提供分3万食全ての弁当に詰め終えてしまいました。
後手後手の対応、食べてしまった子も
市職員出勤後の9時頃、ようやくタバコ混入の報告を受けた市教委。
しかし既に弁当は完成していると聞き、そのまま学校に配送し生徒に出すことを決定😱
🔽
学校には「異物混入」があったので「粉ふき芋」は食べないようにと伝達。
しかし、それがタバコであることは学校にも伏せたままでした😬
🔽
結果、危険性が伝わらず、リスクを排除できないお芋を食べてしまった子どもが出たのです。
タバコは、単に異物であるだけでなくニコチン中毒なども引き起こす毒物です。
目には見えなくてもニコチン汚染などのリスクがあります。
まずは安全を第一に、危険性のあるお芋の提供は止めるべきでした。
原因不明、誰も責任を取らず、税金で穴埋め
当日市教委から連絡を受けた横浜市保健所ですが、
弁当製造工場も、材料納入業者も、さらにそこへカット済みジャガイモを納品している食品加工工場も全て横浜市外。
🔽
そのため市の保健所は調査に入れません。
3つの業者がどれも別々の保健所管轄だったため横浜市と合わせ4つの保健所にまたがる事案となりました。
🔽
結局、混入場所・経路など何も分からないまま、わずか8日後に調査終了。
🔽
原因不明のため、弁当製造業者、納品業者、食品加工業者いずれも責任を問われず、
当日提供されたデリバリー弁当が全品、保護者へポイント返還となった費用約700万円は、市民の税金から穴埋めされることになりました。
市教委は再発防止を徹底すると言いますが、原因も責任も不明では実効性がありません。
野菜は全て冷凍品か2日前カット等加工品
今回の問題から、横浜市のデリバリー弁当は、全て冷凍か加工済みの材料で製造しているということが分かりました。
野菜も冷凍か、そうでない物は全て2日も前に洗浄・カット、水に浸けてビニール袋等の状態で保管しその後調理です。
水溶性のビタミン類が抜けてしまうなど栄養面や食感・味などの悪影響は必至。
しかし今後の全員喫食の体制でもこの全量加工品で弁当製造する方式です。
民間でも例のない巨大弁当工場建設の計画
横浜市は現在選択制のデリバリー弁当を2026年4月から原則全員が食べる方式に転換するため、巨大弁当工場を市有地(金沢区)に建設しようとしています。
デリバリーなら民設民営だから安く済むと言ってきたのに、この工場建設費の9割は横浜市が税金で負担。
委託は15年という異例の長期契約。
1日3万食もの弁当を造る計画ですが、そんな工場は民間を含め全国どこにもありません。
ここで、市内全域の生徒向けアレルギー対応弁当も製造する計画ですが、本当に大丈夫でしょうか。
大量の弁当の衛生管理、深夜から勤務する労働力の確保、市域南端に位置する工場からの長距離輸送など、あまりにリスクと難題が多く、無謀な計画と言わざるを得ません。
もう一度立ち止まり、学校調理の中学校給食を
今回のタバコ混入の事案で改めて浮き彫りとなったデリバリー弁当給食の問題点。
安全性、栄養、美味しさ、地元での食材調達、食育など給食にとって大切な点において重大な欠陥があります。
いったんデリバリー弁当を導入しながら失敗し、学校調理方式に転換した自治体も多く、給食後発の横浜市だからこそ失敗に学び、これからでも学校調理方式の中学校給食へ舵を切るべきだと思います。
皆様のご意見をぜひお寄せ下さい。
この問題での報告動画
横浜の給食について調査・発信し続けているx(旧twitter)「紫陽花のきもち」さんを迎えて
この問題に関する横浜市の記者発表資料
第1報(2023年10月5日)
2回目=最終報(2023年10月13日)