井上さくら の トキタマ日記

横浜市会議員 井上さくら のブログです

放射線対策について、市長に質問しました。

今日から、2ヶ月にわたる秋の議会が始まりました。
9月中の補正予算などの通常審査に加え、昨年度の決算についての審査が10月いっぱい続きます。
今日はその初日。
市長提案の議案に対する質疑があり、私も市長に質問しました。

何しろ持ち時間が少ないので、冒頭ちょっとだけ防災無線の導入について聞いた後は、全て放射線対策について。

まずは、学校給食でセシウム汚染牛肉を子ども達に食べさせてしまった事について、
これまで「市場に出ている物は安全です!」と断言してきた根拠が無くなったということ、分かっていらっしゃるんでしょうか?と。

そして、先日、東京新聞に出た市長のインタビュー記事、市の「対策は最善」等々の発言について、本当にそう考えているんですか?!と。。。

答弁の方は、メモが追いつかなくて正確ではないのですが、
「安全」の破綻については、言い訳中心な感じでしたね。
けれど、前の質問者への答弁の時に、市場に出ている物は安全である旨をさらっと答えていたのと比べると、本当にそう思っているの?と聞かれると、当然ですが、自信持ってなど言えない訳です。

東京新聞の記事については、市長が「言葉足らずだった」と答弁。
これは、そう答えて頂いて良かったと思っています。
現状で「最善の対応」だと言う認識では、全てこのまま、という最悪なことになってしまいますので。
市長にも、色んな意味でこのままではマズイかもと、少し感じてもらえたら良いのですが。

まだだいぶ壁は厚いですが、あきらめるわけにはいかない事なので、市民のみなさんといっしょにこれからも頑張りたいと思います。


ちょっと長いですが、以下、質問の中身です。

井上さくらでございます。
最初に一つだけ、津波対策について伺います。
市民に危険を知らせるための同報無線スピーカーの設置、
どのようなスケジュールで検討していくのか、伺います。

次に、放射線対策です。
ここまでの質疑を聞いておりまして、
相変わらず、市場に出ている食品は安全なのだけれども、
不安だという声が多いから対応するのだと、こうおっしゃっていますが、
そう言っていた結果、子ども達に汚染牛肉を食べさせてしまったじゃないですか。
「安全」の前提が崩れた、という認識は無いのか、
これは市長、教育長両方にお聞きします。

先日、新聞に出ていた市長のインタビュー記事を見て、私は目を疑いました。
「市の対応は最善」だ、「最も恐れたのは漠然とした不安の広がり」「過度の対応は逆に市民に不安を与える」 という市長の言葉が並んでいました。
これでは、給食の汚染牛肉の問題も、市の側には、何ら省みる点は無い、心配する父母の不安の方が問題だと言わんばかりの内容で、多くの市民を驚かせています。
市長、これは本当に市長の言葉なんでしょうか。
もし、この記事が市長の真意と違うのならばそうではないと、
この場で訂正を頂きたいと思います。

そして、市長自身は、この給食の問題について、どのように感じているのか、
本当のところを、市長自身の言葉で、市民に向けて今、
お話し頂けないかと思います。

この汚染が明らかになる前から、給食が心配だとたくさんの市民が言ってきましたが、横浜市はこれをキッパリ退けてきました。
私も話し合いに参加してきましたが、その都度、
【市場に出ているものは全て安全なんだ、何を言ってるんだ】と
本当にかたくなでした。
しかしあっけなく、その前提は崩れてしまった。
結果、10万人を超える子どもたちに内部被曝の危険を負わせてしまった事を、
これは私たち議会も含めて、
謝罪し反省しなければならない問題だと思います。
これまでの間違いを認め、責任の所在を明らかにし、
二度と繰り返さないようにする、それが求められているんです。
市長にその認識は無いのか、伺います。

今回の補正予算
給食については、相変わらず、一日一検体の測定を継続することになっています。
この対応と、今回の給食汚染の失敗とが、私には、どうしても結びつかないんです。
今後、牛肉だけではない、お米や、牛乳や、魚、こうしたものが、牛肉と同じように、後から汚染が分かるということが、もう二度と無いと言えますか?
一日一検体の測定で、給食汚染の再発防止になるとお考えですか?
これで充分と考えての対応なのか、市長に伺います。

先日、農水省が公表した農地の放射能汚染調査では、作付け制限地域の外の農地からも5,000ベクレルという国の基準を超えるセシウムが検出されています。
制限地域外ですから、農作業が行われ、収穫されます。
出荷元での検査はサンプル調査に過ぎず、必ず市場に出回ります。
本来は制限地域を広く取って、生産者に充分な補償がされるべきですが、
そうなっておらず、食のセーフティネットに大きな穴が空いてしまっています。
そういう中で、どうやって子どもだけでも守るかということが私たち大人に問われています。

出来ない事ではありません。
給食については、食材の産地に配慮する事、
そして、子どもたちが食べる場面にできるだけ近い所で実測をする事です。
今回の補正に入った測定器は空間しか計れませんが、
食品も計れるシンチレーション式測定器を各校に配備し、
子どもたちが食べる前にその食事全体の汚染状況が分かるようにすることを提案致します。

また、今回計上されている測定器については、
校内のまだ計っていない地点を、きめ細かく計測する事で、
いわゆるミニ・ホットスポットを見つけ出し、そこに子どもを近づけない事、
いずれは除染を含めた対応に活用すべきです。

川崎では既に、学校、公園の堆肥作りなど、落ち葉の集積場所にはブルーシートがかぶせられ、周りを赤いコーンで囲って子どもが近づかないようにしています。
横浜で何故それができないのか、対応を急ぐべきです。

今の二つは提案ですので、
お考えがあれば、お聞かせください。

最後に、教育長に一つ、
給食汚染の問題を受けて、教育委員会が出した保護者らへの手紙について、
これを配布する学校長が、中身を改ざんして出したという問題が起きております。
どのような考えで、こういう事をしたのか、
きちんと調査をし、けじめを付けるべきですが、
その実態、今後の対応などについて、伺います。

以上、提案を含めて8点申し上げました。ひとまずお答えを、お願い致します。

【答弁に対し再質問】
市長は国に子どもの基準を早く設けてほしいとお答えになった。
そうだと思うが、逆に言えば子どもについて現状、不十分である事はお分かりという事だ。
ならば、横浜市として子どもを守るためにできる限りの事をすべき。どうなのか。

牛肉問題の市の文書では相変わらず内部ひばくをレントゲンと比較して大丈夫だなどという記載がある。
市長は、この程度なら大丈夫だという考えか。
そうだとすればその根拠を市長の言葉で説明してほしい。
でなければ、市長にそうした考えをレクチャーしてきた人々、
健康福祉局や保健所長などに、命に関わる重大な見解の過ちがあるのではないかと思わざるを得ない。
ご説明下さい。

二日後位から、こちらで、質疑の録画をご覧頂けます。
http://www.yokohama-city.stream.jfit.co.jp/giin_result.php?GIINID=5072

質問に引用した東京新聞の記事はこちらから
http://www.tokyo-np.co.jp/article/kanagawa/20110831/CK2011083102000068.html