井上さくら の トキタマ日記

横浜市会議員 井上さくら のブログです

子どもたちの放射線被に関する横浜市の回答書

6月15日に、鶴見区の保護者の皆さんが横浜市に提出した質問書に対する回答が、横浜市こども青少年局よりありましたので、取り急ぎ掲載したいと思います。ご意見・ご感想などお寄せください。

                     こ保運第1213号
                     平成23年7月8日
横浜市鶴見区在住 保護者御一同様
                  横浜市こども青少年局
                保育運営課長 吉川 直友
               子育て支援課長 春原 隆之

「保育園、幼稚園における子どもたちの放射線被ばくに対する横浜市の安全基準および、こども青少年局の具体的対応についての質問書」に対する回答について

 時下ますます御清祥のこととお喜び申し上げます。
 また、日頃より横浜市政に御理解、御協力を賜り、誠にありがとうございます。
 平成23年6月15日に頂戴いたしました標記質問書につきまして、以下のとおり御回答申し上げます。

1 未就学児童の年間の放射能被ばく量上限値についての見解
 横浜市としては、未就学児童(0〜6歳)の年間被ばく量の上限基準を何ミリシーベルトと認識しているか?また、3月の福島第一原発事故以降、横浜市の未就学児童が受ける1年間の累積被ばく量(今年3月〜来年3月)についてはどのような数値を予測しているのか?

回答) 文部科学省は、平成23年5月27日の発表資料において、「学校(幼稚園、小学校、中学校、特別支援学校を指すことを、4月19日の通知で示されています。以下同じ。)において児童生徒及び幼児・園児が受ける線量について、当面、年間1mSv以下を目指す」としています。横浜市としても、この文部科学省の目標にならい、「学校等において受ける線量年間1mSv以下」を目指すこととしています。
 今回の計測では、事故前から存在する地面からの自然放射能の分が含まれており、純粋に事故による増加分だけを計測するものではありませんが、安全性を考慮して、このような目標値としています。
 なお、現時点では、年間累積被ばく量の予測は行っていません。

2 具体的な放射線対策と施設への通達について
・保育園、幼稚園に通う子供たちの年開放射線被ばくをゼロに近づけるために、こども青少年局は具体的にどのような放射線対策を行っているのか?
・保育園など各施設に対してはどのような通達を行っているのか?また、今後予定している対策案などについてもお聞かせ下さい。(保育園、幼稚園、認証園、無認可園といった施設ごとへの対応をご回答ください)

回答) 事故前から存在する地面からの自然放射線があることから、年間放射線被ばくをゼロにすることはできませんが、保育所の園庭で地表50c mの空間γ (ガンマ)線量の測定を順次実施しており、測定を実施した保育園では、利用者の健康に影響を与えるものではなく、年間を通じた園庭等での活動に支障はありません。また、本市として測定している月110か所の小中学校、保育園、公園における測定結果から、横浜保育室や認可外保育施設における屋外での活動にも支障がないものと考えています。
 このため、現時点では新たな対策を行うことは考えていません。保育園、横浜保育室、認可外保育施設に対しては、保育園等の園庭における放射線量の測定等の実施についての情報提供を行っております。
 なお、以下の質問を含め、幼稚園での放射線測定や放射線被ぱくの対策、プール清掃等の運営指導についてご質問をいただいておりますが、横浜市内の幼稚園288園はすべて私立の幼稚園であり、幼稚園は神奈川県が所管となっているため、現時点で、本市が幼稚園の放射線測定等の対応を行うことは予定しておりませんが、今後の検討課題と考えています。

3 横浜市による空間放射線量の測定方法、選定基準について
 先日発表になった空開放射線量測定は横浜市内の小中学校、保育園の園庭が対象で、稚園は対象外。また園庭を持たない無認可保育園の庭代わりである公園については市内2か所しか測定されないため、目安となるデータはほぼないと言える。
 幼稚園や無認可保育園において放射線量の測定を行わない理由は?
 また、原発が収束に向かっているとは思えない現在の状況の中で、1回限りの測定で子どもたちの安全が確認できるのかは疑問である。その根拠をお示しください。

回答) 現在、市内の地理的バランス等を考慮し測定している月110か所の小中学校、保育園、公園における測定の結果から、本市全体の状況は把握できると考えております。また、毎月場所を変えながら110か所を測定していく中で、今後とも、本市全体の状況を把握していきます。
 なお、認可外保育施設については、園庭の設置を必須としておらず、園庭の有無については、本市として把握していないことから、測定の対象とLていません。

4 土壌調査および除染に対する見解
 園庭や市が管理している公園など、子どもたちが遊ぶ環境の土壌調査や除染などについてどのように考えているか?また、園庭や公園における空間線量の計測においてどの位の数値が出たら土壌調査を行う、除染を行うなど、事前に具体的な対策は立てられているのか?

回答) 比較的速やかに結果が得られ、影響力を測ることのできる地表近くの大気の放射線量を測って、安全を確認していきます。
 土壌調査については、地表近くの放射線量の値なども参考にしながら、必要に応じて、放射線対策部において、実施を検討します。

5 保育園・幼稚園におけるプール清掃などへの対応について
 まもなく夏期のプール活動が始まる。園によっては今年も園児たちが自分でプール清掃をするところもあると聞き、保護者たちは子どもたちの被ぱくを心配している。
 一方、小中学校については6月8日に教育委員会より各学校長あてに「プール清掃に伴う具体的な対応について」通達が出された。
 こども青少年局はプール清掃やプールの管理などについてどのような対応を考えているか?またいつ頃どのような通達を各施設に出す予定か?

回答) 保育所のプールについては、従来から、こまめに水の入れ替えを行うこととしており、市立保育所においては、毎日水の入れ替えを行い、衛生管理の徹底を図っています。また、プールの水については、水道局が水道水の検査を毎日行っており、放射性物質は不検出となっています。
 プール清掃については、保護者の方の不安な声もあることから、衛生管理の徹底とあわせ、市立保育所全国に対し、別紙のとおり通知を行いました。また、民間保育所に対しても、市立保育所の対応を参考にして、配慮を行うよう要請しています。

6 保育園・幼稚園の給食における放射線対策について
横浜市立小学校の給食材料については、市場におけるサンプル調査と小学校に届く前の段階で放射能のサンプル調査をされると発表されたが、保育園や幼稚園の給食食材についての記述は一切ない。乳幼児は小学生以上に食べ物から受ける放射線の感受性が高いにも関わらず、保育園や幼稚園の給食食材に対する放射線計測をしない理由は何か?
・給食の食材(市場に出回っている関東・北関東・福島産食材など)を使用することにおける子どもたちの内部被ばくの危険性についてはどのように考えているか?
・食品による内部被ぱくを心配する保護者からお弁当やお茶持参など具体的な要望があった場合について、各保育園・幼稚園に対しどのような通達を出しているのか?(通達内容をお知らせください)

回答) 使用する食材については、原則として市場に流通しているものを使用しています。暫定規制値を超えた農産物については、産地ごと、品目ごとに、国において出荷しないように指示しており、流通していないと考えています。
 また、保育所の給食材料については、保育所ごとに食材を仕入れており、各園がそれぞれ食材の検査を行うことはできません。しかし、中央卸売市場や学校給食における検査の結果で、仮に暫定規制値を超えた農産物が生じた場合には、市内の全保育所に対し、情報提供を行い、使用の制限を行うなどの対応を図っていきます。
 なお、保護者から弁当及び水筒持参の要望がある場合には、弁当及び水筒の持参を認めるよう、市立保育所に通知を行っているほか、民間園に対しても、市立保育所の対応を参考にして、配慮を行うよう要請しています。

7 保育園で配布されている厚労省作成のパンフレットについて
 5月中旬から保育園では「妊娠中の方、小さなお子さんを持つお母さんの放射線へのご心配にお答えします」というパンフレットを保護者に配布している。
これを作成されたのは4/1時点の情報に基づいており、その後政府はメルトダウンやWSPEEDIによる広域放射能拡散マップを発表した。状況は思っていた以上に深刻だったことが明らかになっているにも関わらず、科学的根拠やデータもなしに安全だとするパンフレットを回収もせず配布し続けているのは何故か?また横浜市が独自に正しい情報で修正版を作成し、各施設に配布する必要はないのか?

回答) 厚生労働省が作成したパンフレットについては、国において考え方に変更がないことから、現時点で、本市として、回収等の指示を行うことは考えていません。
 また、本市において独自にパンフレットを作成することは、現時点では考えていません。