井上さくら の トキタマ日記

横浜市会議員 井上さくら のブログです

放射能対策、後手後手のツケに追われる横浜市ー広報の根拠なき安全宣言の撤回/訂正を

「連休どころじゃありませんでした・・・・」
今日、控え室に来てもらい説明を聞いたある職員の一言です。
連休から今日にかけて、横浜市放射線対策部は大変慌ただしい動きをしていたのです。

17日(土) 港北区で見つかった高い放射線スポット【マイクロスポット】緊急記者会見
18日(日) 保育園で予想される【マイクロスポット】を「清掃」するよう通知
19日(祝) 職員を緊急招集し市内96園の「清掃」を実施
20日(火) 鶴見区内小学校の腐葉土ピットについて通報を受け、測定/除去等の対応を決定

これまで横浜市は、学校・保育園等について、校庭の平らな場所の空間線量を5カ所測り、その平均値が0.59マイクロシーベルト/時を超えていないから「安全」だと言い、私も含め多くの市民が繰り返し土壌検査や子どもの多い場所の除染を求めてきたのに、これをかたくなに拒んできました。

しかし、ついに市民が自らの負担で行なった線量測定や土壌検査の結果、無視できない値が検出され、ようやく重い腰を上げたのです。

17日公表の港北区の道路側溝雨水マス周辺では地上50センチ地点の放射線量が0.91マイクロシーベルト/時。そこの堆積物を土壌検査したところ40,200ベクレル/kgのセシウムが含まれていました。

今日、鶴見区の父母達が市長に通報した小学校内の「腐葉土ピット」からは最大0.775マイクロシーベルト/時という、高い放射線量が計測されています。


これが問題の「腐葉土ピット」(計測された方が市への通報について市政記者に配布した資料より)
と言っても、学校側が応急措置としてブルーシートをかぶせてくれているので分かりづらいですが、落ち葉などを集めて学校で使う園芸土を作っている場所です。

こういう場所は各学校や公園にもたくさんあるはずです。

既に、多くの市民の自主測定により、横浜市が基準とする0.59マイクロシーベルト/時を超える地点が私の元にもお知らせ頂いています。
現実を直視せず、事故から半年もこれを放置してきた訳ですから、これから続々と通報があるでしょう。

だからでしょうか。
市は、この連休中、慌てるようにして保育園の園庭について「清掃」をするように全区長に求め、休日の緊急召集で市内公立保育園全園(96園)を「清掃」しました。

子どもの居る場所を早く除染するよう求めてきましたから、迅速な対応には感謝したいところですが、聞けば、放射線測定をしながら行なったのは、17日に「認定マイクロスポット」が出た港北区の7園のみ。
あとの89園では測定器も無く、この辺が危ないのかな?とメボシをつけて、デッキブラシやほうきで掃いて「清掃」し、その後効果があったかどうかもわからない、と言うのです。
これでは、周りにチリやホコリを舞い上げて拡散してしまう事や、作業にあたった園長さんや職員さんへの影響も心配です。
さらに、除去した土砂などをビニール袋に入れて保育園内で保管中との事。
子どもの立ち入らない場所を選んでおり、今後どうするかはこれから検討と言います。

何とも、やっつけ仕事ではないでしょうか?

汚染牛肉と言い、マイクロスポットと言い、これまで、根拠のない安全論を振りかざしてきただけに、それが事実によってくつがえされていく中、場当たり的な対応が続いている印象です。

横浜市放射線対策は、先の「広報よこはま」で安易に行なった「安全宣言」を、まずは率直に反省し、その謝罪と訂正をするところからきちんと再スタートをきらなければなりません。

参考資料  公立園用各区長宛と民間園等への文書&清掃方法等指示書]
https://files.me.com/sakuraline/5u1u4q