井上さくら の トキタマ日記

横浜市会議員 井上さくら のブログです

またまたホットスポット「発見」ー高すぎる横浜の被ばく基準値の見直しを

連休を前にした夜になって、放射線対策部から記者発表資料が送られてきました。
港北区の小学校で高い放射線が計測されたので「清掃した」という内容です。

大倉山にある大綱小学校で最大0.92マイクロシーベルト/時という、これまで横浜市が計測した中で最大値が出ています。
場所は「体育館わき雨樋の下」。金属製のフタがずれていたので、中の堆積物の上を測定したとあります。
通常はこのフタは閉まっているとの注意書きがありますが、外れた状態になっていたという事は簡単にとれてしまうフタであり、子ども達がその近くを通っていた可能性も十分あります。

これまで、何度と無く、こうした雨樋の下や、先日鶴見区の小学校でも明らかになった腐葉土ピットのような落ち葉が集まる所、土やホコリの堆積物、これらこそ放射性物質のたまり場になっているので、早く除染すべきだと言ってきました。

しかし、市の放射線対策部も、学校を管理する教育委員会も、校庭の平らな所だけを測り、これが0.59マイクロシーベルト以内だから問題ないとしてきたのです。

そもそも、なぜ0.59なのか?

これは、子ども達が学校にいる時間を「一日のうちの8時間×一年の内の210日=1,680時間/年」と仮定して、
これで1ミリシーベルト(法律で一般大衆の被ばく限度とされる年間被ばく量)を割った数字
なのです。

これって、年間被ばく限度を学校だけで使い切ってしまうと言う事ですよね?

今、毎日のように明らかになっている通り、横浜の町のあちこちに放射性物質が散らばっている状態です。
さらに、世界基準の何倍もの暫定規制値の適用により、残念ながら毎日の食品にも確実に放射能は含まれています。

子どもの生活は一日24時間、365日=8,760時間です。
法律を守ろうとするなら、この8,760時間の外部被ばくと食品等による内部被ばくを合わせて、年間1ミリ以内にしなければなりません。
外部被ばくだけで計算しても 1ミリ÷8,760=0.11マイクロシーベルトです。
横浜市の現在の基準では、法定限度量の5倍以上の被ばくが許容されてしまうという事です。

川崎市が除染に動く基準値は0.19と横浜よりはこの考え方に近い基準を設け、実際に市民の通報により公園内の土砂の除去や、学校内の腐葉土ピットの周りには赤いコーンを並べて子どもが近くに寄らないようにしています。

横浜市もようやく市内にホットスポットがある事を認め、学校内に限らず対策に乗り出す事にしたのですから、学校で過ごす時間を基準にした0.59はとっくにその意味を失っています。

この基準を見直す事とあわせ、計測、除染がいっぺんにできないのであれば、まずは子どもの多い保育園・幼稚園・学校などのホットスポットになりやすい場所の立ち入り禁止を早急に行なうべきです。

また、これから多くの学校で芋掘り、落ち葉炊き、運動会など秋の行事が続きます。
自然にふれあう貴重な体験ではありますが、除染が遅れてしまった以上、こうした行事も昨年同様とはいかないのではないでしょうか。
横浜市教育委員会や子ども青少年局が、誰よりも子どもを守るという立場に立って決断するよう求めたいと思います。

9/22発表 港北区小学校の高い放射線量についての資料