井上さくら の トキタマ日記

横浜市会議員 井上さくら のブログです

四国がんセンターを視察して

常任委員会視察、初日は愛媛にある四国がんセンター運営の「患者・家族総合支援センター」へ。
がん対策基本法ができて、患者支援は多くの病院が行うようになったけれど、ここのように病院とは別棟でセンターを持っているのは他に無いそう。

建物があるからって何なのと思ったら、色々違いがあった。
専門スタッフを常駐させ、毎日のように、患者・家族や医療介護福祉職を対象にしたセミナーや相談会を実施。

「これまでバラバラだった『支援』を集める事で新しい世界が見えてきた。」と四国がんセンターの副院長先生。

この副院長先生の話しがとても面白かった。
例えばがん患者の就労支援。
副院長自ら会社訪問して雇用先を開拓してみて目からウロコだったと言う。

始めるまでは、あまり実情を話すと患者の不利益になる(配置転換とか肩叩きとか)と思って及び腰だったけれど、逆に話しできた会社の9割が、がん患者の就労に前向きになると言う。

経験を積んだ社員が病気によって離職してしまうのは会社にとっても損失だからなんですね。
でもこれまでは、どこまで病気の事を聞いて良いのかという遠慮や迷いもあって踏み込めずと。

患者、会社、医療それぞれで「三すくみ」みたいになっていたところ、この先生の行動が負の均衡を破ったのですね。

どうすれば治療をしながら仕事を続けられるかのノウハウや医療・福祉のサポートの選択肢を共有するだけでも、就労の幅は随分広がるし、働ける事が生きる意欲になり、治療効果に繋がる事も多いとの事。

確かにそうだなと思います。

この先生、他にもなかなか本音トークで、国の補助金への苦言とか、政策を通すための行政と議会の使い方とか、大変興味深かったです。

他都市へ視察させてもらうと、地域や現場に根ざしながらチャレンジしている方達の自信みたいなものに、希望を感じます。


愛媛県知事伊方原発再稼働同意にガッカリしながら始めた愛媛視察だったので、余計にそんな事を思ったのかもしれません。