写真は横浜の鶴見区にある小学校校舎で保管されている「指定廃棄物」。
「指定廃棄物」とは1kgあたり8千ベクレル以上という高濃度で放射能汚染され処分方法が決められない廃棄物です。
実際の保管場所に入り、放射線量を測定すると、
1.571マイクロシーベルト/時。
これは、横浜市内の今の平均値の30倍もする高い線量です。
なぜ、学校にそんなものが?
この問題、先月の予算議会で改めて林市長に問いかけました。
井上さくら「学校に指定廃棄物を置いている所は全国で他にありますか?」
林市長 「横浜だけです」
そう、全国で唯一、横浜市だけが学校で「指定廃棄物」を保管しているのです。
原発事故の影響、横浜でも、今もなお
5年前に起きた福島第一原発の爆発により全国に放射性物質が散らばり、その一部が横浜にも降ってしまいました。
学校で使われていた雨水利用施設により、これが蓄積され、最高で2万5千ベクレルもの放射性汚泥となったのです。
現在市内43校で鉛を巻いたドラム缶に入れられ鍵のかかる部屋で厳重に保管されています。
厳重保管とは言え、それは校舎の中。
すぐ横は子供達が過ごす普通教室だったり体育館だったりします。
下の写真の緑色のトビラを開くとドラム缶。
年に一度、環境省と教育委員会とで保管状況の点検が行われますが、その際は置かれている場所の壁ウラや上下左右を測定。
壁一枚隔てて、トイレの個室や子どもが走り回る階段なども。
なぜ学校に?
移動するのは大変だから発生した場所で保管する事にした、安全に保管しているので問題ないと市は主張します。
しかし、災害時にもその状態を保てる保証はありません。
学校は避難拠点になる場所でもあり、何より放射能に敏感な子供が日常を過ごす場所です。
分散保管によるリスクも見逃せません。実際にこのような危険物があることが引き継がれず、知らずにいた校長先生もいました。
この地図は「指定廃棄物」を保管中の学校と、
その他に、校内で線量の高い部分(マイクロスポット)を除染して取り除いた汚泥や土砂などを保管している学校をプロットした物です。
危険物をこのように分散すること自体、日常の保管業務も煩雑になりますし、責任があいまいになりリスクを高めてしまいます。
この写真は鶴見区にある「北部汚泥資源化センター」の敷地です。
やはり高濃度汚染された汚泥焼却灰をコンテナに入れて保管しています。
写真の奥に見える茶色のコンテナや、手前のグレーのビニールシートで覆われているのがそれです。
ここなら人家から離れ、集中保管が可能です。
市内の学校に分散されている指定廃棄物や保育園などにも置かれている「マイクロスポット対応除去物」は、合計してもコンテナ1台に充分入ります。
放射性汚泥焼却灰の入ったコンテナ約900台の横に、あと1台追加すれば、学校や保育園に放射能汚染ゴミを置く必要は全くありません。
指定廃棄物の処理は、法律上は国に責任がありますが、横浜の物に関しては何の方針も示されないまま5年が過ぎました。
コンテナ保管も暫定であることは確かですが、少なくとも子供の近くからは回収し、一括管理を急ぐべきではないでしょうか。
それは横浜市長の判断ひとつでできることなのです。
この問題について、保護者の方たちなどが、学校からの撤去を求める署名を集めています。
以下のサイトからネット署名も可能です。
ご賛同頂けたら、ぜひご協力ください。
https://goo.gl/0MN4hz
*市議会での質疑の録画
横浜市会インターネット中継-録画中継
(この問題については開始から6分50秒頃からです)
*学校・保育園で保管中の「マイクロスポット」除去ゴミについてはこちら
放射能汚染物を【学校や保育園に埋めちゃえ!】という横浜市 - 井上さくらのトキタマ日記