井上さくら の トキタマ日記

横浜市会議員 井上さくら のブログです

横浜で起きている放射能モラルハザード

各地で問題となっている放射性物質を含んだ下水汚泥。通常、セメント原料などにして再利用されていますが、引き受け手である民間業者から拒否され、貯まるばっかりになっていると報道されています。

横浜市でも同様のことが起きているのですが、実は一方で、公共事業にはどんどん使われているという事実。これがあまり知られていません。

横浜で汚泥処理をしているのは、北部下水道センター(鶴見区)と南部下水道センター(金沢区)の二カ所。このうち、セメント原料にしているのは南部の方で、こちらは流通が止まっていますが、北部は普段からセメントではなく「改良土」という名の埋め戻し材にし、公共工事で道路等を掘ったあとに入れています。

これは、3/11以降何ら変わらず続行中。だから、北部下水道センターには汚泥は貯まっていません。民間が使えないといって引き取らないものを、公共事業なら使ってい良いのか?

二週間ぐらい前に私がこの件を確認した時には、「改良土には放射線の基準は無いし、(当たり前。想定外の事態が進行中。)上からアスファルトなどをかぶせるから問題ない」と担当の方は自信たっぷりに答えてくださいました。

ところが、その後、各地の汚泥から放射性物質が見つかり大きな問題となる中、国からその再利用についての基準が出されたのです。

今日、改めて、市のホームページでその改良土の放射能の値を見てみると・・・セシウム134とセシウム137の合計値が 【156ベクレル/kg】国が示した基準は【100ベクレル/kg】

え!これ、外に出しちゃ、ダメじゃないの?
と、国の指針を片手に、担当者に再確認。
「え〜と、その文書の下の方にですね、仮置き場の留意事項として、遮蔽物を置く、とありますから、改良土は埋めてしまうものだから、それを準用しています」

道路工事って、放射性物質の仮置き場なんですか?違いますよね。埋めたあとにまた堀り返すこともあるし、とても放射性物質としての管理等されていない。

こういう、放射能モラルハザードのようなことが、あちこちで起きてしまっている。

横浜市環境創造局の発表した下水汚泥等の放射性物質濃度の資料は>こちら

国交省放射性物質が検出された上下水処理等副次産物の 当面の取扱いに関する考え方」についてこちら